葱抓餅には以下のような由来があります。かつての台湾社会はほとんどの家庭が農業に従事していました。そんな中、農夫たちに愛されていた軽食が「葱抓餅」でした。ネギは台湾ではどこでも手に入る農作物であり、農家の人々は田畑で休憩する時に愛妻の手作り「葱抓餅」を食べていたと言います。現在、台湾で最も有名な葱抓餅と言えば「三星葱抓餅」が挙げられます。宜蘭県の三星郷は、弱酸性の土壌をもち、工場汚染がなく、昼と夜の気温差が大きい土地として知られています。ネギは湿気があるところを好み、水気を嫌います。三星の表土の下には石が埋められており、隙間が大きいため、排水が良好です。このため、青ネギもゆっくり生長し、品質が優れています。「三星青葱」は肉厚の葉をもち、白くて長く、かつ繊維質が少ないのが特徴です。三星青葱で作った「葱抓餅」は、葱本来の甘みが感じられ、小麦粉の香りを十分に味わえます。