米粉(ビーフン)はその昔、中国大陸の福建から台湾に伝わってきたと言われます。現在、台湾では「新竹ビーフン」と「楓坑ビーフン」が広く知られています。新竹は日照時間が十分にあり、風が強いため、ビーフン作りに重要な条件が揃っています。ここで作られたビーフンは非常に弾力性があり、茹でた後も煮崩れしません。一方、彰化県の楓坑の村人は代々ビーフン作りを生業としてきました。ここのビーフンは百年の歴史をもちます。村人の多くは村外に発展を求め、賑やかな埔里へと移り住んでいったため、後には「埔里ビーフン」が有名になりました。「新竹ビーフン」と「楓坑ビーフン」の一番の大きな違いは、製造過程の最後の手順にあります。新竹ビーフンは蒸して茹でてから、風を当てて乾かせます。これにより米本来の香りが残ります。一方、楓坑ビーフンは弾力性を増すため、茹でてから風で乾かすという作業を最後に行います。どちらの食感が優れているというわけではなく、どちらとも美味です。