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台湾の台北市に圓環(えんかん)という場所があります。昔からここは有名な屋台街で、かつては何百という飲食屋台が軒を連ねていました。飯あり麺あり、お菓子あり果
物あり、あらゆる屋台料理が台湾の庶民のお腹を満たしていたのです。
1960年、1軒の魯肉飯(るうろうはん)の屋台が圓環に店開きしました。魯肉飯とは、台湾の伝統的な庶民料理で小さな茶碗で食べる豚肉を使ったかけご飯です。この屋台の主は台湾雲林県出身の張炎泉(ちょう
えんせん)という人でした。彼は幼い頃から食の道を志し、小学校を出て苦労に苦労を重ねながらやっとの事で小さな魯肉飯の屋台を出したのです。彼の作る魯肉飯は他の屋台と違って、材料を吟味し、オリジナルのタレを開発して作ったマネのできないもので、その独特で癖になる味は、たちどころにたくさんの屋台グルメ達を魅了しました。
彼は、ここだけの秘伝の味をひっきりなしにやって来るお得意さんの為に毎日毎日無我夢中で働きました。睡眠時間は三時間、それ以外はずっと屋台に立ちっ放しです。その為、顔を剃る暇もなく、彼の顔は見事なヒゲに覆われました。
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